ネズミ防除のための生態理解と対策方法

害獣

ネズミはゴキブリ同様、住居の台所など、食物のあるところにはどこでも発生する、非常に身近な動物です。ウイルスや病原菌を媒介することもあり、特に飲食店での発生には、定期的な予防と駆除が必須です。そんなネズミの生態・予防・駆除の方法などをご紹介します。

ネズミの生態と習性について

ネズミは、哺乳動物の中でも繁殖力の大きな動物です。しかし、無制限に増えるというものではなく、屋内でも安定した巣場所や十分な餌、好適な環境条件など、種々の条件が増加に関与します。

季節的には春秋に繁殖が盛んで、真夏と厳寒期には少ないのですが、ビル内では冷暖房が行われているところが多いので、屋外ほど大きく気温の影響を受けることがないようにも思われます。

家ネズミ3種の比較

クマネズミ

成獣の体長は15~23cmで、ドブネズミに比べると耳が大きく、 目が突出して、尾は体長より長いのが普通です。垂直方向の移動性に優れ、パイプを登ったり、電線などを渡るのも得意です。日本全土に分布し、警戒心が強く、市街地のビルなどの建築物では主要なネズミとなっています。

 

出典:日本ペストコントロール協会

 

 

ドブネズミ

成獣の体長は22~26cmで、クマネズミに比べると目や耳が小さく、尾は体長より短いのが普通です。日本全土に分布し、ビルなどの建築物内では以前に比べて少なくなりましたが、地下街や下水道、ゴミ処分場などに数多く生息しています。垂直方向の移動や電線などを渡るのは苦手ですが、泳ぎは得意です。

 

出典:日本ペストコントロール協会

 

 

ハツカネズミ

成獣の体長は6~9cmで、尾は体長より短いのが普通です。日本全土に分布し、穀物倉庫などで多く見られるほか、人家やビルにも見られます。畑地などに住む半野生種は、秋から冬にかけて屋内に侵入します。

出典:日本ペストコントロール協会

 

 

ドブネズミ クマネズミ ハツカネズミ
体長 19~26cm 15~22cm 58~92㎜
体重 140~550g 150~200g 13~30g
尾長 胴長より短い 体長より長い 95㎜
体色 灰褐色・褐色・赤褐色・黒褐色 栗色・黒褐色・黒色 淡褐色~淡灰褐色
鼻先 太くて丸い 尖っている 尖っている
小さい 大きくて薄い
糞の大きさ
乳頭数 6対(12頭) 5対(10頭) 4対(8頭)
産子数/回 8~9匹 4~8匹 5~7匹
妊娠回数/年 約9回 3~4回 6~10回
寿命 5ヶ月~1年 5ヶ月~1.5年 数ヶ月~1年
活動・分布 低い場所 高い場所 餌場から狭い範囲

ネズミの駆除・防除

ネズミの場合、素人では完全駆除はとても難しいものがあります。なぜなら、薬剤をまくにしても、ただまくだけでは効かないからです。

 

いちばんオーソドックスな方法では、粘着トラップで捕獲する手があります。

通常、押入れの隅の天井は開けられるようになっているので、そこから天井裏を見て、ネズミの通路を見つけます。いつも歩くところはたくさん足跡がついているか、ホコリがなくなっているか、黒光りしています。これを、ラットサインといいます。この通路に粘着板を配置しておくと、うまくいけばすぐに捕まえることができます。