ムカデの生態と駆除の基本

害虫

ムカデは唇脚網ムカデ目に属し、日本では約120種が知られています。頭部から下の胴部より1対ずつ脚があり、オオムカデ・イシムカデ・ジムカデ類に大別されます。
頭部についている毒をだす”アゴ”は第1胴節の脚が変形したもので、これで人に咬みつきます。

アオズムカデ

アオズムカデはよく人家に侵入することがあり、生息場所は屋外の草むらや林の落葉下、石垣の間、木の切り株などで、昆虫や小動物を捕食します。家屋に侵入したムカデはゴキブリなどを捕食するが、人が咬まれることがあり、痺れを伴う激痛が走り局部は赤く腫れあがるのが症状の特徴です。

 


出典:日本ペストコントロール協会

ムカデにかまれたら・・・

ムカデは接触した瞬間に牙で咬みつきます(ムカデ咬傷)。咬まれると毒液が出て、咬まれた場所に炎症をおこします。痛みが激しく、発赤、腫脹、リンパ管炎、潰瘍、壊死などを起こすことがありますが、致命的になることはありません。

 

ムカデの毒性分には、蛋白分解酵素、ヘモリジン、ヒアルロニダーゼ、サッカラーゼ、ヒスタミン、セロトニンなどの酵素が含まれます。また、アミン類が見出されています。(加納,1973) はげしい痛みはセロトニンによる反応です。

 

かまれた場合は、患部に抗ヒスタミン含有のステロイド軟膏を塗布しましょう。腫脹のはげしい場合は水で湿布をするのが効果的です。

ムカデの駆除方法

家屋の周辺にムカデの生息に適した環境があると侵入してくるので、密閉できる網戸を完備し、家屋の周辺や床下を清掃しましょう。とくに家の隅にたまっている廃材、瓦れき、落葉などを除き、ムカデの隠れ場所をなくして日当たりをよくすると良いでしょう。

家屋の周囲にフェニトロチオン粉剤等を20cm幅くらいで散布しておくことも一定の効果が得られますが、風雨に曝されて効果は減少するので、あまり過信しないことが大切です。

 

引用文献: 日本ペストコントロール協会(原色ペストコントロール図説第Ⅱ集)